自動車保険をロードサービスで選んでみる

自動車保険のロードサービスとは?

自動車を運転する際には、車がトラブルにあった時の事を考えておく必要があります。車は公共交通機関が整備されていない場所にもいけますが、そこで車のトラブルがあった際、何の備えもないと帰宅困難に陥ります。

以前は車を買ったらJAFに加入して有事に備えるのが鉄則でしたが、今は自動車保険のレッカーサービスが充実していますので、JAFに加入しない人も多くなってきています。JAFの初年度の経費は入会金と年会費で5,500円です。自動車保険の平均単価は73,000円(個人所有者なら55,000円程度)なので、個人で考えれば、保険料の10%近い金額になります。

自動車保険を選ぶときはつい保険料に目が行ってしまいますが、いいサービスの保険会社を選べば保険料の10%相当の割引効果があります。JAFは素晴らしいサービスなので、ここではレッカーサービスの業界水準であるJAFと自動車保険のレッカーサービスを比較検討しています。管理人は自動車保険のレッカーサービス派です。

ロードサービスとは何か?

自動車のロードサービスとはそもそも何をうけれるのでしょうか?イメージとしては困った時に助けてくれるサービスです。困った時・緊急時のサービスで通常は使うことがありません。なので実際に使う時には困った状態で、それがいくら掛かっても頼まざるを得ない状況です。お困りサービス系のサービスは全般的に高額です。出張料・サービススタッフの人の技術料・有事の装備を準備しておく費用等コストがかかるのは理解できますが、高い。

代表的な車のトラブル

  1. バッテリーが上がってしまった(車トラブルの3割近くを占めます)
  2. タイヤがパンクした
  3. キー閉じこみ

バッテリーがあがった場合、再始動させるだけで13,000円ぐらいかかります。他の車から電気をわけてもらうジャンピングスタートが回復方法としてメジャーですが、そうそう助けてくれる人はいません。この費用を原則無料で提供してくれるのがロードサービスです。他にも脱輪してレッカーで引き上げなども対象です。

ロードサービスというと車のトラブル対応だけが対象のイメージがありますが、自動車保険のロードサービスは会社にもよりますが、車がレッカーされた際の帰宅交通費・宿泊代も対象としてくれます。車で東京から新潟まで家族でスキーにいって車が破損。新幹線で帰宅するだけでも一人1万円の新幹線代がかかります、帰宅まで気配りしてくれるのがありがたいです。

バッテリー上がりは自動車用の充電器で再始動が可能です。スマホのモバイルバッテリーの様に車にもモバイルバッテリーがあります。5,000円程度から購入できるので、有事に備えて車に乗せておけば困りません。

車のバッテリーあがりのためだけに買うのはもったいないですが、充電器なのでスマホやパソコンにも給電が可能です。キャンプの時の蓄電器としても使えますので便利です。

JAFの契約件数は上昇傾向

レッカーサービスの業界水準であるJAF(日本自動車連盟)の契約率は上昇傾向です。自動車保険のレッカーサービス拡充でJAFは大きな影響を受けると考えられていましたが、実態は違います。そもそもサービスの考え方が違うので、自分に合った方を契約した結果だと考えられます。

2019年12月末の加入者数は1,962万人です。自動車の登録台数が8,180万台という事を考えると25%が加入していることになります。2019年の出動件数は216万件です。単純に考えると加入者の10人に1人が1年に1回お世話になっている数値ですが、出勤件数は延べの回数なので人単位でみると10人に1人も利用していません。JAFは会員なら無料をうたっていますので、1年で複数回サービスを求める層がいます。(自動車保険のロードサービスでも年間に何回もバッテリー上がりを起こしたり、何回もガス欠になったりする人がいました。今は回数制限がかけられています。)

1年で10人に1人だとしたら、自分の事を考えると10年で1回の利用です。5年一括の最安値で契約しても、20,000円×2で40,000円かかります。40,000円の加入料を払うなら有事に実費(自動車保険のロードサービス)を活用するほうがよいというのが管理人の考えです。

JAFは人にサービスがつきます

自動車保険は契約している車両だけがサービスの対象ですが、JAFは人にサービスがつきます。契約した1台しか対象としない自動車保険のロードサービスとは違い、レンタカー・勤務先の車・複数台所有・同乗もサービスの対象です。対象範囲が広いのが特徴です。

自動車保険のロードサービス内容について

自動車保険会社は多くありあますが、まずは業界の雄東京海上グループのイーデザイン損保のロードサービスで一般的なサービス内容を確認します。自動車保険を契約すると自動付帯でロードサービスが無料でついてきます。まず無料なのが嬉しいですね。

またロードサービスは保険金の支払いではないので、利用しても翌年の等級に影響はありません。これは損保全社共通の考え方です。JAFのサービスと遜色がありませんが、クレーン代は自己負担なのが厄介です。クレーンは使用すると20,000円前後費用がかかりますので、心の準備をしておく必要があります。

サービス項目 内容・コメント
レッカーサービス 事故・故障で車が動かない場合の車の搬送
60kmまで無料
引き上げ・引き降ろしサービス 落輪した時や縁石に乗り上げた際、元に戻す
クレーン代は自己負担
応急対応サービス
  • バッテリーあがり
  • 鍵開け
  • パンクによるスペアタイヤ交換
  • オイル・冷却水の補充
  • バルブ・ヒューズ交換
  • 降雪が原因での走行不能救助
  • 30分以内の軽作業
  • クレーン代は自己負担
燃料切れ時ガソリン配達サービス 1回10リットルを無料補給(年1回)

JAFと比べても十分なサービス内容です。レスキュー理由の上位3位である「バッテリー上がり・パンク・キー閉じこみ」に対応しています。パンク修理には対応していませんが、パンクが原因ならスペアタイヤに交換してもらえます。これだけのサービスが無料で自動車保険契約についてくるのです。

サービス面でJAFの後塵を拝しているのは点としては、以下のとおりです。

  1. パンクしたタイヤの応急処理(最近はスペアタイヤを積んでいない車も多い)
  2. タイヤーチェーンの脱着(スキーにいくなら自分で練習しておく)
  3. 契約車両以外の車は対象外
  4. 天候を原因とする走行環境の悪化が原因の走行不能は対象外

会員料金を払ってサービスを受けるJAFの方がレッカーサービスについては優勢です。それは当然です。自動車保険のレッカーサービスは無料なので。ただ後塵を拝している点については、大きな問題ではないと考えます。

  1. 急ぎスペアタイヤに交換し、後日タイヤの購入先で修理
  2. 自動車を運転・雪山に行くならチェーンの脱着は自分で出来るのがマスト
  3. 契約者以外の車は、その車付帯のサービスを利用
  4. 降雪予報時はチェーンを携帯・ゲリラ豪雨時はアンダーパスに注意

無料の自動車保険付帯のレッカーサービスでも十分安心したカーライフを送ることが出来ます。

自然災害を起因とした走行不能はサービス対象外ですが、自動車を運転するなら有事に備えてチェーンの携行・自身での脱着が必須です。これが出来ない環境の場合はJAF加入がよいと考えます。ただ自分で出来ないとレッカーの待ち時間等、大事な時間を浪費します。

ロードサービス規約に踏み込んで内容を確認

ロードサービスを比較する時、つい見やすいホームページをみてしまいますが、見るべきはサービス規約です。これを読まないと対象外のサービスなど詳細がわかりません。自動車保険の約款並みに細かいですが、全部読んで気になるポイントは保険会社に質問すれば回答頂けます。

よく金融商品は都合の悪い事はこっそり書いてあるという意見があるのですが、実際に読んでみるとその通りだと思います。気力が必要です。ロードサービス規約には保険の専門用語が少ないので、なんとか理解はできますが、時間がかかります。読んでみると車両保険の約款の考え方にとても近いです。(規約を確り読むのに30分ぐらいかかります)

読みだすと気になる箇所が多くありますのでポイントを抜き出します。ロードサービス自体は素晴らしいサービスですが、世の中には色々な人がいますので抗弁が出来るよう詳細が詰められています。

  1. 他車運転危険補償保険で救済される他の自動車やファミリーバイクは対象外
  2. 反社会的勢力関係者等は対象外(約款だけでなくサービスにも暴排条項有
  3. 所有者の無許諾運転中は対象外(勝手に車を借りて運転)
  4. 異常な状態で搭乗中は対象外(暴走族の箱乗り)
  5. 受託車両の事故は対象外(自動車管理者賠償責任保険・自管賠じかんばいの補償範囲です)
  6. 国内がサービス対象ですが、一部離島は対象外
  7. 事前連絡ない場合は対象外
  8. 走行不能となるおそれを認知しうる明らかな整備不良は対象外
  9. 車両保険対象外の戦争・核燃料・薬物起因等は対象外
  10. 無免許運転は対象外・無車検車両は対象外
  11. 海岸、農地、原野、河川敷、港湾施設、造成地、工場跡地での走行は対象外
  12. 同一のサービスにおける利用頻度が著しく高い場合は対象外
  13. ロードサービスの利用について不適と損害保険会社が判断した時は対象外
  14. サービスの提供が著しく遅延しても賠償責任は負いません
  15. 相手方のある事故について代位求償権を取得(当然の権利です)
  16. 車両保険の請求があった場合は、保険金として取り扱う(契約者には関係なし)
  17. ロードサービスの内容に関する解釈が割れたら、保険会社の解釈を適用
  18. 合意管轄は東京(訴訟を起こす場合は東京になります)
  19. レッカーは一時搬送のみ。2回目(一旦自宅から工場)や廃車の搬送は対象外
  20. 48時間を超える車両保管料金は対象外
  21. バッテリーのジャンピングは保険期間中1回のみ
  22. 落輪には、全ての車輪が落輪している状態は含まれず
  23. 乗り上げはいずれかの車輪が道路上(車道・歩道・縁石)に接している状態のみ

無料の付帯サービスに対して過大な請求をされる契約者に対抗するため、片面的強行規定かと思ってしまうぐらい厳しい記載があります。通常の契約者には影響はありませんが、毎月バッテリーがあがったり、毎月ガス欠になったり、ロードサービスの到着が30分といっているのに今こいといったり、どこかでサービスは線引きをする必要があるので規約に記載せざるを得ないと考えます。

特に14番の「サービスの提供が著しく遅延しても賠償責任は負いません」は、解釈によっては契約者にとってとても厳しい規約と考えます。例えば夕方山道で脱輪して契約車両が被害にあった。脱輪時は携帯の電源があったのでレッカーサービスを要請。その後損害保険会社が委託先への手配を失念し、契約者はだれも来ない山道で電話のバッテリーも切れ連絡が出来ず、真っ暗な深夜に滑落して負傷をおったケース等、この時手配を失念した損害保険会社の責任は負わないという解釈が規約上は可能です。(失念でなくまだサービスを提供していない遅延という解釈)

実際このようなケースが発生した場合は、不法行為に基づく賠償責任を追及すると思いますので、手配を失念という過失があれば、原因を誘発したと考えることも可能なので、民法にもとづき賠償請求が一部は認められる可能性があります。

気になることを書いてしまいましたが、首都圏で降雪が発生した際は、どこのレッカー会社も出払ってしまいます。ロードサービスには大量の契約者から電話が入りそもそも電話がつながりません。やっとつながってもレッカー3時間待ちとかがざらです。この状態でレッカーが遅い・訴えるぞと言われても不可抗力です。そのような状態になった際の抗弁として記載されている事情はあります。

17番も無料か実費かで保険会社と契約者で見解が割れる事があります。そこで契約者が異議を申し立てても聞かないよというスタンスです。契約者に一方的に不利になる解釈等は、保険会社としてないと考えますが、規定上はバッサリ線引きしています。

自動車保険各社のロードサービスを比較してみる

自動車保険は賠償保険なので、各社大きな差はありません。事故を起こしてしまった際の相手方への賠償は判例に基づき賠償基準もある程度明確化されていますので、どこの会社に入っても差はありません。そうなった時に契約者が考えるべきは、保険料とサービス水準です。

ほとんどの人は交通事故を起こさず日常生活を送っています。日常のカーライフを安心して過ごすために、ロードサービスの視点で保険の比較検討しみます。

メガ損保のロードサービス比較(2020年度版)

まずはメガ損保のロードサービスを比較してみます。損保はもともと護送船団方式といって各社差があまりありませんでした。保険自由化以サービス競争は進みサービスの考え方にも差が出ています。TOYOTA資本が入り、いけいけ大東京火災海上の流れを組むあいおい損保のサービスが突出しています。通販型自動車保険会社のサービスにも対抗が出来るサービス水準です。

自分が加入するならあいおいニッセイ同和を選択します。

  東京海上 損保ジャパン あいおいニッセイ同和
条件 全契約自動付帯 全契約自動付帯 全契約自動付帯
レッカーサービス 15万円までの実費
(約180㎞相当)
15万円までの実費
(約180㎞相当)
30万円までの実費
(約500㎞相当)
応急対応サービス 15万円までの実費 15万円までの実費 30分以内の作業無料
ガソリン配達サービス 1回10リットル(年1回) 1回10リットル(年1回) 1回10リットル(年1回)
宿泊費用 特約で対応
追加の保険料が必要
特約で対応
追加の保険料が必要
1名15,000円上限
代替交通費用 特約で対応
追加の保険料が必要
特約で対応
追加の保険料が必要
1名20,000円上限
車両引取費用 特約で対応
追加の保険料が必要
特約で対応
追加の保険料が必要
15万円限度

ダイレクト型損保のロードサービス比較(2020年度版)

損保としては後発で顧客獲得のためサービス競争が激しいダイレクト型損保を比較しています。集約が進んでいるメガ損保と違い、多くの会社がありますので売上上位6社を比較します。

まずは売上上位3社を比較します。レッカーサービスは契約者にとってはいいのですが、保険会社にとってはサービス提供として莫大な経費がかかっています。過当競争は各社避けたいとこですが、通販として特色を出すために、代理店型よりサービスの水準が高いです。

売上上位3社の中ではソニー損保のサービスが一番です。自動車保険の売上だけで1,000億円を超えているので、数のボリュームもありこのようなサービスの提供が可能と考えられます。

売上上位3社 ソニー損保 アクサ 三井ダイレクト
条件 全契約自動付帯 全契約自動付帯 全契約自動付帯
レッカーサービス 契約者指定100km無料
保険会社指定無制限
契約者指定35km無料
保険会社指定無制限
契約者指定50km無料
保険会社指定無制限
修理後搬送サービス
修理後引取費用
対象
引取は1名1万上限
納車は無制限
(自走不可のみ)
対象
引取は1名5万上限
対象外
応急対応サービス 30分以内の作業無料 30分以内の作業無料 30分以内の作業無料
バッテリー上がり 年3回まで 年1回のみ 年1回のみ
ガソリン配達サービス 年1回のみ
1年目燃料代実費
2年目燃料代無料
年1回のみ
1年目燃料代実費
2年目燃料代無料
年1回のみ
1年目燃料代実費
2年目燃料代無料
雪道スタック引出し作業 対象
(ノーマルは対象外)
対象
(ノーマルは対象外)
対象
(ノーマルは対象外)
パンク時のタイヤ交換 対象 対象 対象
鍵開け 対象 対象 対象
自走不可時の
冷却水・オイル補充
対象 対象 対象
宿泊費用 搭乗者全員1泊まで 搭乗者全員1泊まで 対象外
代替交通費用 搭乗者全員・帰宅費用
複数回利用可能
搭乗者全員・帰宅費用 2年目以降対象
レンタカー
12時間まで無料
ペット宿泊費 対象 対象 対象外

続いて売上上位4-6位のサービスを比較します。通販自動車保険では別格のソニー損保を追い抜く為に、特徴のあるサービスを提供してします。売上上位4-6位の中でとんがっているサービスはSBI損保です。売上を伸ばすため突出したサービスが提供されています。

売上上位3社 セゾン イーデザイン SBI
条件 特約として脱着可能 全契約自動付帯 全契約自動付帯
レッカーサービス 15万円を限度
(約180㎞相当)
契約者指定60km無料
保険会社指定無制限
契約者指定50km無料
保険会社指定無制限
48時間以内の保管も無料
修理後搬送サービス
修理後引取費用
15万円を限度 対象外 指定工場のみ対象
応急対応サービス 15万円を限度 30分以内の作業無料 30分以内の作業無料
バッテリー上がり 15万円を限度 年1回のみ 年1回のみ
ガソリン配達サービス 年1回のみ 1回10リットル(年1回) 1回10リットル(年1回)
雪道スタック引出し作業 15万円を限度 対象
(ノーマルは対象外)
対象
パンク時のタイヤ交換 15万円を限度 対象 対象
鍵開け 15万円を限度 対象 対象
自走不可時の
冷却水・オイル補充
15万円を限度
材料費は自己負担
対象 対象
宿泊費用 搭乗者全員1万円まで 対象外 搭乗者全員2泊まで
代替交通費用 搭乗者全員2万円まで 対象外 公共交通機関費用無制限
レンタカー24時間
ペット宿泊費 対象外 対象外 対象外

結論・レッカーサービスで選ぶならベストな保険会社は?

損保勤務経験がある筆者が考えるベストな選択はSBI損保と考えます。

代理店型の損保は日本全国高水準のサービスを提供する拠点があるJAFと競合を選択していません。自社の自動車保険の大事なお客様でもあるJAFとは共存共栄の姿勢です。一方で通販の自動車保険会社はJAFとの関りが薄いのかはわかりませんが、自社のお客様のメリットを第一にサービスを打ち出しています。(通販保険会社でフリート契約という法人名義での契約を引き受けている会社は無い認識)

通販保険会社の中ではソニー損保とSBIが最終候補になりましたが、重要なのは価格とのバランスです。全車種を比較しているわけでは無いので確定的な事は言えませんが、SBIの方がソニー損保より保険料が安価になる傾向があります。高くていいサービスは当たり前です。リーズナブルな保険料で高いサービスを提供するSBIが優れていると考えます。(2020年6月時点)