交通事故が揉めるのはなんで?物損編

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交通事故は揉めますね

いくら安全運転をしていても交通事故は突然やってきます。世の中に事故を起こしたくて起こす人はいません。一瞬の「気の緩み・油断・脇見・考え事」が交通事故を引き起こします。交通事故はみなさんが考えてるより高い確率で発生し、社会にも大きな影響を与えています。日本損害保険協会の資料もみると1年で実に3兆4,000億円の損害が出ています。件数でカウントすると年間700万件近い数字です。

結構多いですよね。で、いろいろ事故にあった人から話を聞く機会も多い訳です。しかしながら円満解決した場合はそれ程話としては伝わりません。揉めた時が結構強烈なイメージとして残る訳ですね。損害保険会社は「法律上の賠償責任」を担保するだけです。法律上はそれで問題ないわけですが、法律と人情は違います。それが揉める原因の一つになる訳です。

交通事故はどんな時にトラブルになるのか?またどういう対策が考えられるのか。今回は物損害を中心に考えて見ます。

駐車場内の事故

駐車場内は、基本は道路交通法が適用されない私有地です。どちらが優先道路といった優位性は存在しません。
それ故駐車場内は50対50双方責任が発生するのが基本です。しかしながら「止まっいた・動いていた」「停車位置の問題」「道路に該当するのでは」と意外と揉めることが多いですね。

なんでそうなるの?

やはり私有地と言うのが大きな問題です。また損害額もそれ程大きくないので判例として確立していない一面もあります。また駐車場と言ってもコンビニの狭い駐車場からホームセンターの区画整理されている駐車場まで内容は様々です。

対策方法

車両保険契約があるなら、車両保険を使用して後は保険会社に任せるのが一番楽だと思います。金額がそれ程大きくないので、お金の問題というより気持ちの問題になると解決が長期化する事が多いようです。

また不特定多数が容易に出入りでき、ある程度交通量が確保されている場合など道路上の事故として考える場合があります。現場の確認をして、どう主張していくか対策を練りましょう。

駐車場内の事故は
①即座に円満解決
②長期化のどちらかです。

②になってしまうとなかなか接点を見出すので難しいですね。最終的には自損自弁(じそんじべん)と言って、双方自己負担して物別れになるケースが多数あります。特に駐車場内の接触事故は、損害も軽症で双方怪我がないケースも多く、お互いに主張しあう元気があります。

信号青青問題の事故

信号は青が進めで、赤は止まれです。子供でも知っている社会のルールです。ところが交通事故においては双方青信号で交差点に進入という主張の事故が発生します。あり得ない事ですが、双方一歩も引かず事故は長期化します。

過失割合は100対0ですので、赤信号侵入の車が100%悪く、相手の車を全額賠償し、自分の車の修理代金は全額負担です。赤信号で侵入した運転者が嘘をついているのか、思い込んでいるか真実は不明です。

時間を戻すことは出来ませんので、このトラブルに巻き込まれると心身ともに疲れますが、ドライブレコーダーがあれば、このようなトラブルに巻き込まれません。事故の瞬間の動画ありますので、どちらが赤信号か明確な証拠を添付して主張が出来ます。自分を守るためにドライブレコーダーの搭載は必須です。

100対0の全損問題

追突事故は追突した人が100%責任を負います。当然ですよね。賠償責任は100%ですが、被害者に負担が出るケースがあります。それが全損という問題です。

30万の車両が赤信号で停車中に追突されて、車が大破。修理代に60万の見積もりが出て、相手に請求しても30万までしか賠償されません。法的な損害賠償の考え方は時価が上限です。仮に60万の修理代金相当を受け取って修理しなければ、被害者は中古で30万で買って、差額の30万は自分のお小遣いになってしまいます。60万かけて直してほしいといっても賠償は30万まで受けられず、差額を加害者に請求する被害者もいます。気持ちはわかりますが、法的根拠がない請求です。被害者から電話が何回も入るり、保険とは別に自己負担をされる人もいます。

そのようなトラブルを防ぐために、対物全損時修理差額費用補償特約等も発売されています。相手が修理をするのであれば、時価以上の修理代を支払うという特約ですが、法的には賠償する必要がありませんので、加入はマストではありません。相手から請求が来てもきっぱり断れる人には不要な特約です。

動画で解説