交通事故初期対応サービスの充実化

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2008年アクサダイレクトからスタート

アクサダイレクトが土日の交通事故対応サービスを開始しました。金融業もサービス業。デスクに座って土日は休みと言う体制は壊れつつあります。ただ本社の管理部門が土日に出社する事はほとんどありません。土日出社を求められるのはお客様対応をしている部門です。損保に就職する人の多くは土日休みも職業を選択する理由の一つになっていますが、なかなか世間的には許されません。

交通事故は緊急事態。土日も正社員のサービスが受けられるのはありがたいですね。客観的に考えれば、ただ交通事故事件は損害賠償事案ですので、土日にどうしても連絡をとり対応を要する事があるとは考えられませんというのは交通事故に慣れた損保社員・弁護士の考え方です。

目の前で車が壊れ、傷害を負い血を流している。普通の人は血を見ただけで大きな驚きを感じ、それが加害事故であればなおさらです。歩行者や自転車とぶつかり人が目の前で飛ばされる。心神喪失状態です。土日の事故であれば、お休み中に被害者への対応を1分でも早く終わらせたい。それが事故を起こした際の心情です。

 そんな心情によりそったサービスが2008年アクサダイレクトから開始されました。このサービスに踏み切た判断は素晴らしいです。24時間365日事故受付を行う損保は沢山あります。というか当たり前の事です。保険事故が起きて保険会社が休みでは話になりません。土日に保険支払の判断の出来る正社員が出て被害者対応を行い、加害者となった契約者に「被害にあわれた方への連絡・治療費や代車の手配が完了しました」と経過報告を行う。とても安心感があります。

通販自動車保険会社各社の対応

アクサダイレクトから開始した土日対応は通販保険会社各社に広がりつつあります。土日に正社員を出社させ、システムを稼働させ平日と同様の対応を行う事はコストがかかります。お客様のニーズに応えるために、土日も出社し顧客サービスを実践する会社は素晴らしいです。ボブも土日に稼働している保険会社と契約しています。追突事故で初期対応でやるべき事を考えると、

  1. 報告を受けた事故で、保険金を支払えるかの判断
  2. 契約者への状況確認(事故損害状況・契約車両相手車両のケガの有無)
  3. 被害者への連絡(ケガの状態・治療先の確認・帰宅手段の確認・レンタカーの手配)
  4. 治療先への一括払いの連絡・レンタカーの手配
  5. 契約者への完了報告

被害者への連絡の際は、経験が豊富でないと即答が出来ず、被害者への感情を逆なでします。土日夜間の事故で工場があくまでの車の保管料はどうなるのか・事故で行けなくなった旅行代はどうなるのか・新車で買った事故の格落ち損害はどうなるのか・お仕事の休業補償はどうなるのか・今日の夕飯代はどうなるのか・と色々質問が出ますので、ある程度の経験が必要です。

土日は病院の事務方もお休みとのとこも多く、治療費の建て替えが必要です。被害者への立替をお願いし、ダメなら契約者に立替・領収書の保管を依頼に切り替えなど臨機応変な対応が求めれます。

ソニー損保→素晴らしい

2021年1月時点で「365日、平日・土・日・休日にかかわらず、0:00~20:00の間に事故受付が完了した事案」に対して、その日の内に初動を完了させ契約者に報告してくれます。

事故が土曜の19時00分に起きて、すぐに相手の連絡先を確認して、事故報告。事故報告後担当者が20時に決まったとします。簡単な事故であれば時間はかかりませんが、無茶苦茶な要求をされる人もいらっしゃいますので、その際は時間を要します。状況によっては22時近くまで残業をせざるを得ないケースもあると思いますが、病院の医事課・修理工場はこの時間はやっていませんので、被害者対応次第かと考えます。

土日は17時受付までという常識を突き破ったサービスが素晴らしいです。(働く人は大変です。)

アクサダイレクト→サービス実施中

2021年1月時点で「365日、平日・土・日・休日にかかわらず、9:00~19:00の間に事故受付が完了した事案」に対して、必要に応じてその日の内に初動を完了させ契約者に報告してくれます。

サービスの開始は早かったですが、サービスレベルはソニー損保に抜かれてしまいました。ソニー損保が深夜明け方事故も対象・時間も20時までが対象です。この時間帯は事故報告が殆どありませんが、発生があった場合は注意が必要です。深夜なので飲酒運転問題とスピード超過による重症事案の発生率が高いのが特徴です。

必要に応じてという文言がありますので、契約者が希望する場合だけ実施かと思います。

セゾン自動車(大人の自動車保険)→サービス実施中だが微妙

2021年1月時点で土・日・祝日の初期対応サービス実施時間は9時半から20時までです。微妙な表記です。20時以降は時間外となっています。19時59分に事故受付が完了した事案だと、被害者への連絡をしていただけない可能性があります。

初期対応には1時間程度かかるケースもざらにあります。通常土日の出勤者は五月雨で初期対応の仕事を振られ、同時並行で連絡を取り続けます。受付時点で初期対応サービスは20時までなのでという苦しい対応にならざるを得ない印象があります。

チューリッヒ→一番素晴らしい

2021年1月時点で「365日、平日・土・日・休日にかかわらず、9:00~20:00の間に事故受付が完了した事案」に対して、1時間以内に専任担当者が決まり、その日の内に初動を完了させ契約者に報告してくれます。素晴らしすぎる。

しかも、被害者が入院するような重症事案は、土日・祝日でも自宅訪問可能。働く社員は大変ですが、ここまでやっていただけると完璧です。0時からの事故受付分を対応するより、1時間以内に連絡を宣言している姿勢にサービスの高さを感じます。当初は連絡がなかなかつかないイメージがありましたが、このレベルでサービスを実施しているのであれば、価格ではなく、サービスで選ばれる保険会社になり得ます。