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自動車賠償責任保険と任意保険はセットです
なぜ一つの自動車に2つの保険を付ける必要があるのでしょうか?車検の時に自賠責保険料を収め、任意自動車保険は多くの人が毎年更新して保険料を納めています。まずはそんな素朴な疑問を考えてみます。
自動車賠償責任保険(自賠責)は簡単に言うと法律で加入が義務づけられています。日本国内で自動車を運転する以上は自賠責保険が付いていないと法律違反になり、検挙されます。逆に任意保険は、言葉の示すとおりあくまで加入するかしないかは個人が決める保険です。交通事故が起きても自分で払えるお金持ちの人は必要ないですね。
しかし個人でそのリスクを引き受けるのは実際問題無理がありますね。そもそも自賠責保険制度がなんであるのか?という疑問がありますが、背景には急激な戦後のモータリゼーションがあります。自動車が売り出し始めの頃は、自動車保険とい感覚もなく国が賠償保険を準備せざる得なかった側面が大き買った訳です。当時は事故なのに補償されない悲惨なケースがたくさんありました。そんな訳もあって最低限の補償が受けられるように自賠責保険が出来た訳です。
結論は自賠責保険と任意保険がセットで初めて自動車保険としての機能が果たされると理解しましょう。自賠責保険に入っているから大丈夫と言うのは大間違いです。
そもそも自動車賠償責任保険がなかったら
自動車賠償責任保険。 略して自賠責。別の名を強制保険。そもそもなんで年金みたいに一つの自動車保険が2階建てなのか。まずはそこから見ていきます。
一言でまとめると「 手厚い補償を受ける為」と言うことになります。通常交通事故の賠償は民法709条に基づく不法行為責任を問われます。それ故過失相殺が行われます。50対50であれば損害額の半分しか賠償されません。200万円の損害でも100万円しか賠償されない訳です。当然のことですよね!
しかしながら交通事故は悲惨です。大きな車と人の体が接触すれば大怪我しますし、車に乗車中でも同じです。そんな大変な被害者の人々の金銭的な負担を少しでも減らす為に、また強制保険にすることで補償を受けられなくなる人がいないように、120万円以内の損害額なら多少の過失分は減額しないで被害者に補償しましょうというありがたい保険制度なのです。
自動車事故では民法709条も大切ですが、自動車賠償責任法が適用されるわけです。ほんと自賠責保険はありがたいですよね。以下自賠責保険がなかったらどうなるかを見ていきます。
無保険車が増加に請求が面倒
任意保険はあくまで個人の自己選択です。強制保険が無くなれば保険に加入しない人も出てきます。そんな車に当てられたら大変です。自分で治療費を立替相手に賠償金を請求していかなければなりません。
自賠責保険には被害者請求という、加害者が納得していなくても、自賠責保険に直接損害額を請求できるというメリットがあります。自賠責がなくなると、加害者に責任を説明して請求に同意してもらうという煩雑さがあります。
一番大きいのは 立証責任でしょう。民法の709条における損害賠償では被害者が相手の事故原因を立証する必要があるという大きな問題があります。自動車賠償責任法では、被害者は極端な話「事故で怪我したよ」と一言うだけで賠償してもらえる簡単さがあります。
過失相殺の適用
自賠責では120万円以内なら重大な過失がない限り、過失減額がされません。多少自分が悪くても全額補償してもらえます。
自賠責保険と任意自動車保険の違い
国土交通省管轄の自賠責保険と金融庁管轄の任意自動車保険。一台の自動車の保険ですが、建付けから異なり、違いがわかり難くなっています。大事なのは自賠責保険に加入していないと、そもそも法律違反の状態で、対人事故を起こしてしまった際、自賠責保険分(傷害120万・死亡後遺障害4,000万)は自己負担になります。違いはありますが、どちらの加入必須です。
種類 | 任意保険 | 自賠責保険 |
契約方法 | 自分で選ぶ 保険会社毎に異なる |
車検と一緒についてくる |
対人事故傷害 | 設定保険金額まで | 上限120万 |
対人事故死亡・後遺障害 | 設定保険金額まで | 3,000万(4,000万) |
対物事故 | 設定保険金額まで | 使えません |
保管場所 | どこでもいい | 車の中に保管 |
内容の見直し | 自分でできる | 不可能 |
契約方法 | 自分で決める | 車検リンク制度 |
補償内容 | 約款・自賠法・判例に準拠 | 自賠法に準拠 |
以下気になる事を捕捉します。
対物事故 | 自賠責はあくまで、対人事故の賠償にしか使えません。対物事故は発生の確率が大きいですから、任意保険に入る必要がある訳です。 |
担保範囲 | 任意保険は急激・偶然・外来の事故原因が基本です。自賠責保険とは担保範囲が微妙に違います。
具体例というとなかなか思いつきませんが、仮に自動車が爆発して人を傷つけた場合などでしょうか?その時は製造物責任法との調整が必要かも。 |
契約方法 | 任意保険はあくまで個人の選択ですので、自賠責保険は車検制度を受ける車は100%に近いですが、任意保険は70%ぐらいの加入率です。車検制度のない戦車などは当然自賠責に加入していません。 |
補償内容 |
一言で言うと、自動車賠償責任法と言う交通事故被害者を手厚く守る法律手厚く守る法律のお陰で自賠責保険金額以内においては通常の賠償額よりも多く補償が受けられるということです。 自分が悪い事故でも、保険金はあまり減額されません! |